本堂修復工事 〜途中経過 〜 と小話
さて、4月に入りようやく暖かくなってまいりました。例年よりも桜の開花が遅く感じられます。
修復工事開始から約1ヶ月、外壁の塗り替えが終わりに差し掛かっています。
ひと足早く写真でチラ見せです。いかがでしょうか。ガラッと色を変え、とても雰囲気が変わりました。
さる3/24の春彼岸会には、満堂となるほど多くのご参拝を賜り、誠に嬉しく存じます。工事中にて本堂が足場で囲まれているような状況でしたが、皆様が修復されて綺麗になる本堂を心から楽しみにして下さっておりました。
中には若干名のご門徒より、お寺側からは全く申していないにも関わらず、「修復に役立てて下さい」と尊いご懇志、ご寄付を賜りました。
お寺といえば何かと修復や新築の機会に寄付を求めるというイメージがありますね。確かにお寺はお布施(広義では寄付になります)で成り立っています。
しかし善福寺では記録に残る限りでも曽祖父の14代住職 武純孝の時代より、こういった修復などではお寺側からご門徒への寄付の呼び掛けというのは全く致しておりません。
父である16代住職 武宏文も「普段からありがたくお布施を頂いとるんや。改めて寄付をお願いするもんちゃう。」と話していた記憶があります。
曽祖父の代には現在修復中の本堂が建立されましたし、父の代では震災で被害を受けた山門を再建をしていました。やはりお寺から寄付のお願いなどはしなかったそうです。
ただし自主的に持ってきて下さるご懇志は有難くお受けする事にしております。
これは曽祖父が本堂を建立する際の話だそうですが、寄付を呼び掛けない住職(曽祖父)に対して当時の門徒総代(ご門徒の代表)が「住職、本堂とはお寺と門徒のもんなんや。寺だけが頑張るもんと違うんですよ。」と言って、ご門徒の家を一軒一軒訪ねて自主的に集めてくださった懇志をお寺へと納めに来てくださったのです。
このような尊い方々の想いによって、善福寺は450年近くもの歴史を歩めたのでしょう。恵まれております。私はこの想いを背負って、皆様のご恩に報ずべく住職として精進していかなくてはなりません。
なにより、ついわが身大事と考えがちな私共に、このような思い遣りの世界を与えてくださったのが阿弥陀様、お念仏の教えでありましょう。深すぎる、尊すぎる仏恩にただただ感謝を述べる他ありません。
この素晴らしい世界を与えてくれる浄土真宗のみ教えを、皆に伝え弘めていかなければと、修復される本堂を見つめながら決意新たにする私でありました。
南無阿弥陀仏
住職 武 昂真
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